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ミルトン・エリクソンは、臨床催眠の使い方に関しては20世紀随一の権威でした。
また、医師としてさまざまな症例を治癒し、20世紀最高の心理療法家と言う人もいます。

『催眠』は、かつてメスメルやスヴェンガリなど、さまざまな誤用、誤解があり、
精神医学の父であるフロイトが放棄したことで、西洋では医学の分野から
追い払われたかのように見えた無意識を活用する技術を、
エリクソンは治療的催眠として高度に洗練させ、
彼の好奇心に溢れた催眠の科学的探究の結果、
医学界にその効果を認めさせるのに重要な役割を担った存在です。

80歳でなくなるその日まで300本を超える催眠に関する論文を書き、
3万人を超える被験者に催眠を行ったとされています。
また、数多くの弟子やフォロワーを生んだことでも知られています。

エリクソンは、単に医者として学術的に貢献しただけではありません。
『傷ついた治療者』と呼ばれ、自らが様々な障害を持って生まれ、
そしてポリオによる全身麻痺からの回復、人生の後半での後ポリオ症候群など
厳しい身体症状と共に生きることを通して、
「生きる勇気とは何か」、「あきらめ」という枠組みからの解放という
多くの人々を奮い立たせる生き方を私たちに教えてくれています。

彼はさまざまな催眠的技法を編み出しましたが、中でも患者の症状を利用する方法や、
患者の関わり方までも活用する許容的で、直接指示をせずに緩やかに催眠に誘導し、
治癒を導き出す「間接誘導」に彼自身の症状、人生との関わり方が強く現れています。

彼の存在はとても大きく。彼の死後、かつての弟子や
新たなフォロワー達が次々と精神医学や心理療法に新しい流れを生みだしています。